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* 柏市前立腺がん市民公開講座のご報告

前立腺がんは、欧米諸国では男性のがん患者数の中で最も多く、日本でも増加傾向にあります。 増加している背景には@高齢化、A食生活の欧米化(動物性脂肪の摂取の増加)、 B検査方法の進歩、特に血液腫瘍マーカーPSA検査の普及などがあげられます。 前立腺がんは、加齢による前立腺の肥大や、排尿障害といった自覚症状とあまり違いがないため、 がんが進行してしまい、他への転移などによる骨痛が現れてから、病気がわかることがあります。 前立腺がんの治療法には多くの方法があり、がんの広がり具合、がんの悪性度、PSA、年齢、 合併症を検討し次の中から最適な治療方法が選択されます。

  1. 手術療法(前立腺全摘除術)
    開腹手術で、前立腺と精嚢を摘除します。手術時間は約3〜4時間くらいで、 入院期間は通常2〜3週間ほどです。初期であれば根治が期待できます。 合併症としては尿失禁と勃起不全ですが、尿失禁は通常1〜2ヶ月ぐらいで治ります。 神経温存術という勃起をつかさどる神経を残す方法で手術することで、勃起能回復も期待できます。 最近では、お腹を切らずに、腹腔鏡を使った手術も普及しています。 腹腔鏡手術でも、多少の傷は入りますが、体への負担も少なく早期の退院がみこめます。
  2. 放射線療法(外照射法、小線源治療)
    外照射法は内分泌療法または小線源治療との併用で行われます。 小線源治療は、前立腺内に放射線の小線源(ヨウ素125)を埋め込み、 がん細胞を死滅させる新しい治療です。 米国では広く実施されており、日本では実施施設が限られていますが、 2003年7月に認可され、徐々に普及しつつあります。短期間の入院が必要で 小線源の挿入には1〜2時間程度要します。線源は埋め込んだままにします。 大きな副作用は少ないですが、一時的に排尿困難、排尿痛、肛門痛、血尿、 血便、頻尿、便意頻回などが出現することがあります。
  3. 高密度焦点超音波療法(HIFU)
    前立腺の特定の部位に超音波を集束し、がん細胞を死滅させる治療法です。 治療は、腰椎麻酔か全身麻酔を行い、肛門から治療用プローベを挿入し、 前立腺の特定の部位に超音波を集束します。 治療時間は、約3、4時間で入院期間は通常3日〜1週間ほどです。 特徴として、皮膚や筋肉への傷がなく、退院後すぐ社会復帰できる、 何度でも繰り返し治療ができることです。合併症としては治療により尿道が狭くなることがあります。

@からBの治療法は基本的には前立腺内にがんがとどまっている限局がんに適応されます。

  1. 内分泌療法(精巣摘除術、薬物療法)
    転移を認め局所的治療で改善できない場合、高齢のため手術時のリスクが高く危険な場合、 手術後に再発が認められた場合、または手術前にがんの勢いを抑えておくためや、 放射線療法などと併用して行われます。 睾丸また副腎から分泌される男性ホルモン(テストステロン)により前立腺がんは 増殖を促されるため、薬物により男性ホルモンを抑制するのです。 副作用としては、性機能低下、ほてり、女性化乳房などがあります。

近年、前立腺がんは増加傾向にあるため、男性は50歳を過ぎたら、 年に一度は必ず前立腺がん検査を受けることをおすすめします。 なお、早期で発見された前立腺がんは、これらのどの治療法を選択しても 治ることが多いのですが、各治療法には一長一短がありますので 泌尿器科の専門医に相談して下さい。




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