* 『インフルエンザ最新情報』

◆インフルエンザの歴史と流行

インフルエンザとは、“インフルエンザウイルス”による感染症です。 インフルエンザの語源はイタリア語のinfluence(影響)に由来し、昔のイタリアでは占星術師が惑星の並びが影響していると考え、 「星の影響」という意味があり、いまも世界で使われています。 インフルエンザのパンデミックとしては、1918年にスペインかぜ、1957年にアジアかぜ、1968年に香港かぜ、1977年にソ連かぜ、 1997年にトリ・インフルエンザH5N1(香港)の人への感染があり、そして 2009年にH1N1(新型インフルエンザ)が流行りました。 インフルエンザの発生は、例年は年末から増えて1月にピークを迎え、2月、3月にはぐんと減って終息します。 しかし、2009年の新型インフルエンザのときは、5月頃から発生し始め、7月頃から増えて年末がピークとなり、1月頃には減少するという、 これまでと全く違うパターンでした。 季節性インフルエンザにかかる方の年齢別罹患率では15歳以下が多く、死亡率では高齢の方に多いという傾向があります。

◆新型インフルエンザと季節性インフルエンザの相違点

新型インフルエンザの発症率は、通常の倍以上で国民の25%が発症し、人口の多い都市部で患者さんが多く、 小児・学童の発症数が高くて15歳以下で75%を占めていました。重症化した方は若い人に多く、しかし幸いにも、 毒性はそれほど強くなく、入院率も増えませんでした。流行時期は夏から年末で、その間の検出ウイルスは季節性よりも新型がほとんどでした。 症状は、季節性と変わらず、発熱38℃、咳、咽頭痛、関節痛等の方が多く、なかには腹痛だけの方もいました。治療方法も季節性と同じです。 今後は、新型インフルエンザの罹患者は減少して行き、高齢化が進むと予想されます。 日本の新型インフルエンザ入院率・死亡率(特に妊娠されている方は0人)が、諸外国と比べ、とても低いことが注目されました。 この理由は、抗インフルエンザ薬服用率は、発展途上国以外はほぼ同率で、服用開始時期が日本ではほとんどの方が 2日以内(24時間以内が70%、48時間以内が90%)に服用しており、早期診断・早期服用による効果と分析され、諸外国でも早期服用を勧める方向になっています。

◆ウイルスの生態と感染

インフルエンザウイルスは、1oの1万分の1ほど(0.08〜0.12ミクロン)の大きさで、丸い形をしています。 通常、生物は生涯自己複製し続けます。それは細胞単位の複製であり、種の存続のための複製でもあります。 細胞は、生物の最小の構成単位で、栄養・酸素を取り込みエネルギーを産生します。寿命は数日前後で、 細胞が増えるときに、生命情報を伝えているのが遺伝子です。 ウイルスの場合は、ウイルス=遺伝子で、丸いたん白質の中にDNA(遺伝子)があり、遺伝子が薄い膜に包まれている状態で、 周りを棘状の物質がおおい、それぞれが意味をもっています。遺伝子しかないので栄養を摂取したり、エネルギーを産生できないため、 他の細胞に侵入し細胞をのっとる形で増殖します。インフルエンザウイルスは、とても小さいので、 風などによって空中をふわふわと浮遊し飛んでいきます。生物の細胞にたまたまくっつくと、その細胞をのっとって増殖します。

◆インフルエンザウイルスの感染と診断

患者さんの症状から、インフルエンザが疑われる場合は、インフルエンザ迅速キッドを使用して調べます (迅速キッド使用の場合、インフルエンザに感染後24時間経過していないと判別できません)。 他に、肺炎などの他の症状が疑われる場合にはレントゲンや、血液検査を行う場合もあります。  全身の症状には、発熱、筋肉・関節痛、倦怠感・疲労感、頭痛、悪寒・発熱、呼吸器系では鼻症状、喉の痛み、 咳などがあります。感染後、インフルエンザウイルスは2日目位まで増殖し、その後だんだん減少して6日目位で終息しますが、症状はその後もしばらく続きます。 インフルエンザの合併症としては、呼吸器では中耳炎、副鼻腔炎、クループ、気管支炎、気管支喘息増悪、肺炎、中枢神経では熱性けいれん、 脳炎・脳症、ライ症候群、ギラン・バレー症候群、その他の精神神経症状、心血管系では心電図異常、心筋炎、それに腎不全、筋炎などがあります。

◆普通のカゼとインフルエンザの見分け方は?

急激に、症状が悪くなる場合、熱が高くなる場合は、インフルエンザを疑います。ウイルスが減少した後も、 呼吸器障害や倦怠感などの症状が1〜2週間残ります。また、肺炎など重症化することもあります。 普通のカゼは1年を通して発症しますが、通常インフルエンザは、冬期6週間程の限られた季節に流行するため、 『季節性インフルエンザ』とも呼ばれます。 治療としては、抗インフルエンザ薬という抗生物質を使います。タミフル、リレンザ、ラピアクタ、 イナビルの4種類があります。薬を飲まずに、安静・休息・栄養と水分補給等の対症療法で良くなる方もいます。 熱の高い方は、解熱鎮痛剤・ビタミン剤などを補充します。治療の基本は外来ですが、症状がつらい方は入院となることもあります。 薬も症状に合わせて、様々な治療薬があり、内服薬や吸入薬、点滴などを使い分けることが可能になりました。 今年のインフルエンザは、どの型が流行するのか、まだ感染者が少なく、分かっていませんが、流行時期は遅めで、 パンデミックになる心配はなさそうです。予防としては、手洗い、うがい、マスク装着、ワクチンの接種が基本です。 まずは、インフルエンザにかからないようにすることが、最も大切です。





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