当院人間ドックの紹介とオプションの選び方

講師:おおたかの森病院 健診センター 小平 祥史医師(健診・人間ドック担当)

当院の人間ドックの特徴:施設として

■病院併設型
病院に併設されているため、早急に治療が必要な進行がんや大動脈瘤などが見つかった場合、 他の検査をキャンセル・延期して、当日からその場で疾患の診療(精密検査・治療計画など)を始めることも可能です(実例あり)。

■比較的小規模
1日平均予約数が3人~5人で、人間ドック・健診の専任医師が担当し、丁寧に診ています。1日200人を超える大規模施設や、 非常に小規模な施設の場合は、非常勤(アルバイト)医師や一般診療との合間に診る兼任医師が多い傾向があります。

■健診・人間ドック専用のスペースあり
基本的な検査や受付も健診センター内ででき、待合室で交わらない(1部の検査は共用)ため、 スムーズに受付・受診・会計ができます。比較的新しく、明るくきれいなスペースで、人間ドックを受けることができます。



当院の人間ドックの特徴:検査内容

基本コースは、2コース用意しています。※人間ドックは、すべて予約制です。

■基本(半日)コース
午前中に終わる検診で、人間ドック学会の1日ドックの基本検査項目に準じた内容です。労働安全衛生法の一般定期検診の項目に、胃部X線(または内視鏡)検査、 腹部エコー検査、便潜血検査、肺機能検査(肺活量など)、眼底検査が追加されています。

■3大疾病(1日)コース
当院独自のコース、基本コースに3大疾病(がん、心疾患、脳血管障害)に関する検査が追加されています。 日本人の死因の第1位、2位、4位を占める、がん、心疾患、脳血管障害に加え、3位の肺炎も脳血管障害を背景とした嚥下機能の低下が主な原因のため、 死因全体の60%以上をカバーする検査内容です。

  1. がんに関する検査:胸部・腹部CT、腫瘍マーカー
  2. 心疾患に関する検査:心臓エコー、負荷心電図
  3. 脳血管障害(脳梗塞・脳出血等)に関する検査:頭部MRI・MRA

1と3の動脈硬化が原因となる疾患に関する検査:ABI・脈波検査(血管年齢・動脈硬化度を測る)、頚動脈エコーが追加されています。 動脈硬化について、通常の健診や、人間ドックの基本コースでは、現在の危険因子の状況を評価し、現状ではどれくらい速く動脈硬化が進みそうかを評価しますが、 3大疾病コースでは加えて動脈硬化の進行度の評価(今までの生活で、どれくらい動脈硬化が進んでいるのか)が加わっています。

オプションについて-特に調べたい病気は何か?

健診や人間ドックが対象とするのは、多くの人が罹患する可能性がある、放置すると重大な健康障害につながる可能性が高い、早期発見によって経過の改善が見込める、 経過が比較的ゆっくりの疾患であり、主に生活習慣病と頻度の高いがんが対象となります。これに、特に調べたい検査を追加できるのがオプション検査です。 当院で行うことのできる検査は、希望があれば原則すべて追加できます。ただし、症状のある場合は外来で受診した方が、急性疾患や頻度が低い疾患も対象とすることができ、 保険診療ができます。

検査項目の選び方①

検査には費用と時間がかかり、検査によっては苦痛、合併症、誤認、被爆などの不都合が考えられます。コストに対して、十分メリットが大きい検査を選んでください。

検査項目の選び方②

検査の必要性は、年齢、性別に加えて、体質・遺伝的背景、環境・生活習慣などによって異なります。 がんの罹患率は50歳ぐらいから増え始めますが、若い人でも多いがんに女性特有の乳がんや子宮頸がん等があります。 遺伝性の強いがんとしては、前立腺がん、大腸がん、乳がんなどが代表的で、血縁者に同じがんの人がいると、発生するリスクが高くなります。 また、生活習慣の中ではタバコ・飲酒では、口腔がん、咽喉頭がん、食道がん等、タバコは肺がん、胃がん、膵がん、膀胱がん、腎がん等、肥満は大腸がん、 乳がん(閉経後)、腎がん(女性)等、ウイルスでは肝臓がん、子宮頸がん、細菌では胃がん(ピロリ菌)のリスクが高くなります。

生活習慣病(動脈硬化)の評価①

  1. 現在の危険因子の状況の評価…肥満、血圧、脂質、血糖、尿酸、タバコなど
  2. 今までの蓄積による障害の程度の評価…主に動脈硬化の程度の評価(年齢相応かどうか)。 一般健診では十分評価されないことが多い、脈波(血管年齢)、頚部血管エコー、眼底、頭部MRI・MRA(脳ドック)、負荷心電図など

生活習慣病(動脈硬化)の評価②

動脈硬化の進行度がわかっていないと、危険の切迫度や将来予想ができない⇒一般健診では評価できず、人間ドックなどで定期的に評価をうけることは有用です。 高血圧などで治療中であれば、保険診療でも検査できるものも多いです。

比較の重要性

「がん」に直結する異常所見は多くはないです。特に早期の軽微な異常は良性/悪性、活動性/陳旧性の区別は難しいため、以前との変化を確認することは、 正確な診断をするために非常に重要となります。以前との変化を確認するためには、繰り返し受ける(基本)同じ施設で受ける(できれば同じ時期に)が大切です。 体調が安定しているときに受診してください。違う施設で受けるときは、前回の結果を持参した方が良いでしょう。かかりつけ医がいる場合は、その施設で受けるのも良いでしょう。

よく追加されるオプション検査は?

基本コースでは、脳血管障害や脳動脈瘤等は頭部MRI/MRA(脳ドック)、肺がんは胸部CT、各種がんは腫瘍マーカー(特に前立腺がんのPSA)などの検査がよく追加されます。 基本コース・3大疾病コースに共通した検査では、大腸がんを調べる大腸内視鏡、乳がんはマンモグラフィー、骨粗鬆症は骨密度が多いです。 リクエストは多いが対応していない検査は、子宮がん検診、PET、大腸CT内視鏡があります。

血液検査でがんリスクをチェック-アミノインデックス(AICS)-

アミノインデックスは、血液中のアミノ酸量を分析し、現在もしくは近い将来、がんに罹患するリスクを評価する検査です。1回の採血で、複数のがんについてリスクを評価でき、 早期がんや幅広い組織型(肺がんでは扁平上皮がん、腺がん、大細胞がん、小細胞がんに分かれている)に対応した検査です。 男性では胃がん、肺がん、大腸がん、前立腺がんの4種が分かり、女性では胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がんと卵巣がんの5種のリスクが分かります。 しかし、リスクが高い場合は、もし胃がんであれば消化器科を受診して、内視鏡検査などの精密検査を受けてください。

医師の結果説明

一般健診には基本的にない人間ドックの特徴として、医師の結果説明があります。健診でもドックでも受けただけ、報告書をもらっただけでは、何も改善しません。 とりあえずは一般的なドックのコースを受けて、検査項目の一つ一つの内容・意味及び結果について説明を受けてみて、今後の追加オプションなどの個別化についても、 相談してみることをお勧めします。